[LIVE] Pat Metheny Unity Band 2013 5 26

 もう1週間が過ぎようとしていますが,ブルーノート東京でのパットメセニー・ユニティーバンド公演に行ってきました。感想など記しておこうと思います。

 

まずは,セットリスト
【Set List for "Pat Metheny Unity Band" at Blue Note Tokyo 2013】
●Date: 2013/05/26 (Sun.) 2nd Show (8:00pm-)
●Venue: Blue Note Tokyo, Tokyo, Japan
●Musicians: Pat Metheny (electric and acoustic guitars, guitar synth, orchestrionics) , Chris Potter (ts, b-cl), Ben ...Williams (ac-b), Antonio Sanchez (ds) and The Orchestrion

◆Set List:
1. Free Improvisation on 42-string Pikasso Guitar -- Solo
2. Come and See
3. Leaving Town
4. Interval Waltz
5. James [from "Offramp" (1981) by Pat Metheny Group]
-MC-
6. The Bat [from "80/81" (1981) by Pat Metheny]
7. Signals (Orchestrion Sketch) / The Orchestrion Sequencer Improvisation with Quartet

*Encore:
The Good Life [from "Song X" (2005/ Twentieth Anniversary Edition) by Pat Metheny & Ornette Coleman]
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 マイケル亡き現在,メセニーが80/81以来30年ぶりにテナー入りのバンドで大傑作アルバム「PatMetheny Unity Band」を発表,それをライブで聴けるということで,贅沢な気分でブルーノート東京を訪れました。席は真中のステージ近くで,クリス・ポッターの生音も聞こえる位置。(^O^)/

 私としては,現在世界最高峰と言われるテナー,クリス・ポッターを生で聴くのが一番の目的でしたので,そこ中心に書きます。

 1曲目のソロギターの演奏が終わると,バンドメンバー登場,期待のクリス・ポッターがバスクラでCome and Seeのイントロリフを吹き始めました。アルバム中一番好きな曲,興奮します。

 テナーに持ち替えてソロに突入,一音も聞き漏らしたくないと,ビールも控えめにしながら傾聴。席の良さもあってか,クリス・ポッターの音が細部まで聴き取れて満足でした。

 好印象はテナーの音色。楽器はアメセル,シルバーのバランスアクションにビンテージなリンクメタルを使用しているように見えました。リフェースとか施されているのかなとも思いますが,近年優れた道具が溢れる中で,リガチャーも普通のリンク付属のものらしく,伝統的なセッティングのようです。テナーらしい深い音色はここから発せられるものなのでしょう。超絶技巧な印象から,道具も扱いやすさを追求しているのだろうと思っていましたが,ちょっと違うのかな。相当な練習量を積み重ねてきたのだろうと拝聴しました。

 ソロの内容はCDやネット音源等で聴いてきた通りの素晴らしい内容,手癖フレーズを使わない印象があるので,何かそういうところはないのかなと聴いてました。一つのモチーフを平行移動していったり,あるインターバルで並べた音を平行移動で上下するような吹き方を時折織り交ぜるのが耳に残りました。

 内容が濃いのであっという間に感じたのかもしれませんが,ソロがそんなに長くはなく,もっと吹き続けて欲しい感もありました。自分のリーダーバンドだったらもっと長いのでしょうきっと。メセニーサウンドの中で,聴きやすい万人受けする感じのクリス・ポッターを楽しむことができました。

 愛聴してきたJames,The Batもうれしい選曲,The Batの演奏前には「偉大なマイケル・ブレッカー,ジョシュア・レッドマンのお父さん達との作品80/81からの曲・・・・」といったMCが聞き取れ感慨深かった。自分でも演ってみたい曲です。

 ステージにはバスクラ,テナー,ソプラノ,フルートが並んでいたのでかなり期待したのですが,ソプラノ,フルートは演奏しませんでした。ソプラノ聴きたかった。

 最後に,オーケストリオンのお話。お洒落なお店のステージにガラクタを並べてカーテンで隠してある様な感じで,メセニーさん好きだね~と言いたくなるようなシステム。スタッフが一つ一つカーテンを開けて歩くのが面白い。ステージ前方の小さなシンバルが発するリズムが中核のようでした。ギターと連動して演奏されるだけでなく,LEDが点滅したり観せる工夫もされてます。CDで聴くよりもライブで観る方が楽しいシステム。MIDIでシンセを操るだけでなく,具体物を操ってしまおうという発想なのでしょうか。一つ一つ近寄ってよく観てみたいと思いました。

 そこで思い浮かんだのはTDLのアトラクションにパット・メセニー・オーケストリオンを創ること。壮大なオリジナル楽器の山が精巧に作られたパットメセニー人形に合わせて音楽を奏で,動き,光を発する。そしてあちこちに配置されたスタッフがそれぞれの生楽器を演奏する。それを乗り物に乗って観て周る。あったら楽しいと思いますがいかがでしょう。

2013年05月19日