[BOOK] パリス・マイ フーリッシュ ハート

 南博さんのジャズピアニストエレジー銀座編「白鍵と黒鍵の間に」、アメリカ編「鍵盤上のUSA」に続くパリ編「パリス」が出たとSNSで知ったのは半年ほど前でした。即入手したもののそのまま積んであったのを最近やっと読みました。南さんの実経験を綴ったものであろう前二作とはとは一味違ったハードボイルドな結末で,「えっ,そんな展開になっちゃうの」というドキドキ感。こちらは多分創作部分が大きい小説作品なのでしょう。
 「パリス」を読み終えると,まだ読んでいなかった,南さんのもう一冊の作品「マイ・フーリッシュ・ハート」が気になります。ネットで注文,アメリカから帰国してからの生活を綴った実録エッセイ集になっていて,プロミュージシャンの生活ってどんなものかという興味もあり,これまた引き込まれます。
 南さんは,私が学生時代組んでいたバンドのピアニストの師匠さんでして,都内で何度か拝聴していました。田舎に戻ってからも,2009年11月3日,山形市内でのライブに出かけ,著書にサインもしてもらいました。「マイ・フーリッシュ・ハート」に頻繁に出てくる Hiroshi Minami Go There! 南 博(p)竹野昌邦(ss、ts)水谷浩章(b)芳垣安洋(ds)というメンバー。当時の私のHPに載せたライブレポを読み返してみると,「オリジナル曲は広大な風景が浮かんでくる雰囲気があって素晴らしい。お目当て竹野さんのソプラノ&テナーが期待通りで嬉しかった。」などと書いてあって,「マイ・フーリッシュ・ハート」に記されている時期の直後ぐらいだったことが分かります。オリジナル曲に込められたエッセイに出てくるアイスランドやデンマークで得た印象を聴き取ったのかもしれません。
 この本に出てくる一連のCD作品も聴いてみたくなりました。ライブでも聴いてみたいものです。

2018年12月02日