[Transcription] On Green Dolphin Street by John Coltrane

コルトレーンのグリーンドルフィンです。このDVDのコルトレーンも素晴らしいですね。

学生時代,この曲で分数コードなるものを初めて意識しました。最初に先輩のリフ帳から書き写させてもらったコードは FM7 - Fm7 でした。その後何かの書籍で FM7 - AbM7/F のコードを知り,なにやら難しそうだけどカッコよい記号だなあと思ったものでした。

YouTubeに動画が上がっていますのでもう一度観てみましょう。これを初めて観たときは鳥肌が立ちました。テーマの歌い方がマイルスっぽいのも楽しいです。

この演奏,あちこち採譜してあったのを見直して一つにまとめてみました。動画の2分30秒辺り,テナーからスペシウム光線と共にシーツ・オブ・サウンドが発射される部分は音が拾えないので省略しています。

[Transccription] On Green Dolphin Street by John Coltrane (PDF)

どこが好きかというと全部ですが,まずはソロの出だしピックアップがカッコよいですね。Fのメジャースケールを5度から上行するだけですが,この音色とイーブン気味の8分音符にグッときます。

この曲のアドリブのポイントは5~7小節目のG7-F#M7-FM7のところだと思います。コルトレーンはどのように演奏しているか見てみましょう。上の例ではGM7-F#M7-FM7を想定している様子で,5376のシークエンスを単純に平行移動しています。タイミングを半拍ずらしながら演奏しているところが絶妙です。下の例では3653のシークエンスが出てきます。参考にしやすい手法でうれしくなります。

 

下の例はシーツ・オブ・サウンドの後,フラジオ音域での叫びのようなラインです。G7-F#7-FM7を想定しているらしく,シークエンスにb7が含まれています。コルトレーンは様々なシークエンスを全音域で練習していたのでしょう。

 

アルバム1958Milesでの演奏とピックアップの部分を比較してみました。ゆったりしたテンポに合わせてか,そばにマイルスいるせいか分かりませんが,C7でb9を使ってブルージーさを醸し出しています。そして,C7のb7からFM7の3度に半音で解決する定石ラインに続くところもグッときます。


2020年12月12日